展覧会概要:
『ドリーム・アフター・ドリーム—Dream after Dream』は、フィリピン人アーティスト、カール・カストロによる「AIRΔ vol.7レジデンスプログラム成果展」です。カストロは、絵画、写真、インスタレーションなど、多様なメディアを用いて、歴史/社会的な出来事や人物、彼自身の経験や現在の社会状況の考察に基づいた作品制作を行なっています。3か月間におよぶ大阪での滞在制作では、1970年の日本万国博覧会(大阪万博)とフィリピン館を、日本とフィリピンの社会というより広い文脈の中に位置づけ、リサーチを行いました。
繰り返される束の間の出来事や野心への寓意である『ドリーム・アフター・ドリーム』。カストロが、数々の夢を大規模に動員する万博の背後から浮かび上がらせる、緊張/断絶/カウンターナラティヴ(別の物語)は、再び大阪万博を向かえる私たちに、どのような視点を指し示すのでしょうか。
池田昇太郎(本展キュレーター)
主催:TRA-TRAVEL、The Japan Foundation Manila
レジデンスパートナー:一般財団法人 おおさか創造千島財団
助成:大阪市、芳泉文化財団
提供:大阪府
カール・カストロ
1986年フィリピン、リサール州アンゴノ生まれ。カストロは絵画、織物、写真などの様々なメディアで制作し、アート、デザイン、映画などの分野を領域横断するアーティストです。これまでインスティテューショナル・メモリー(制度・組織内に蓄積された知識)や、現代の社会問題、コミュニティベースのプロジェクトに関する展覧会に参加するだけでなく、展覧会デザインやキュレーションも手がけています。カストロはアテネオ・デ・マニラ大学で教えるほか、デザイナーとして文化や学術系のブックデザインやフィリピン映画のポスターを手掛けるなど様々な領域で活動しています。https://karlcastro.com/
池田 昇太郎 Shotaro Ikeda
1991年大阪生まれ。詩人、古物商、企画、翻訳など。西成区天下茶屋の元おかき工場にて「プロジェクト⇆スペース山本製菓」(2015-2021)を運営。
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会期:2023年 12/2(土)〜3(日)、8日(金)〜11(月)、14(木)〜17(日)
会場:千鳥文化 大阪市住之江区北加賀屋5−2−28
時間:11:30〜18:00
入場無料
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イベント:
『トークセッション with 三木学』
12/10 (日) 14:00〜15:30
文筆家、編集者、色彩研究者等で知られ、万博にも造詣の深い三木学氏をお迎えしたカール・カストロとのトークセッション。
※1ドリンクオーダー制・逐次通訳有り・予約不要
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三木 学 (MIKI Manabu)
文筆家、編集者、色彩研究、美術評論、ソフトウェアプランナー他。独自のイメージ研究をもとに、ジャンル、メディアを横断した著述・編集を行っている。大阪万博関係の論考に「太陽の塔の図像学試論」『10+1』 (No.36、INAX出版、2004)、「大阪万博―戦後日本芸術のパノラマ」『ジャパノラマ』(水声社、2021)など。共編著に『大大阪モダン建築』(2007)『フランスの色景』(2014)、『新・大阪モダン建築』(2019、すべて青幻舎)、『キュラトリアル・ターン』(昭和堂、2020)など。美術評論家連盟会員、日本色彩学会会員、大阪府万博記念公園運営審議委員。レビューサイトeTOKI共同発行人
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『カールの万博公園ツアー』ライブ配信
12/16(土) 13:00〜14:30
レジデンス期間中、散歩や食事、訪れたイベントなどを随時インスタグラムのストーリーズにアップしていたカール・カストロ。本イベントでは、リサーチやフィールドワークで何度も訪れた万博記念公園を、カールの目線で巡るツアー/パフォーマンスを千鳥文化とフィリピンマニラの会場へライブ配信しました。